「おそろい、見つけた。」
春のやわらかい日差しが、街のガラス窓にきらきら映ってる。
今日は、しょーくんとふたりで原宿デートの日っ♪
私服のしょーくん、黒のキャップにゆるっとしたシャツ。
シンプルなのに、なんでこんなにかっこいいの〜!って、横に並びながら密かに思ってるわたし。
「ここの雑貨屋さん、かわいい系多いって聞いたからさ、ののか喜ぶかなって思って」
って、しょーくんが自然に手をひいてくれて。
もう、それだけで今日のデート大成功じゃん、、、って心の中でキュン。
お店に入ると、レトロなキーホルダーや、小さなぬいぐるみ、ふわふわのポーチが並んでて、
ののかテンション爆上がり!!!
「わ〜っ、これ見て!うさぎのキーホルダー!かわいすぎっ!」
「お、こっちにはネコもあるじゃん。どっちがののかっぽい?」
「え、うさぎじゃない?、、、しょーくんはネコっぽい!」
「……んじゃ、ペアだな。買おっか」
え!?ペア!?
しょーくん、今……さらっと「おそろい」って……。
もう心臓とけるかと思ったんだけど!?!?
照れて俯いたわたしの手に、しょーくんが自分の手を重ねてきて、
「俺、おそろいとかけっこう好きなんだよね。ののかとだったら、なおさら」
って、ささやかれた瞬間、ほんとに現実ですか??ってなるほどにときめいた……!!
おそろいのキーホルダーをお会計して、歩いてたら、
しょーくんが「ちょっと休憩しよっか」って言って連れて行ってくれたのは、小さなカフェ。
ちょっと大人っぽい雰囲気のお店で、しょーくんがドアを開けてくれる姿が王子すぎてしんだ(語彙)
注文したのは、わたしがいちごのミルクティーで、しょーくんはカフェラテ。
「ののか、今日めっちゃ楽しそうだね」
ってニコニコしてる顔がまぶしすぎて、ほんと無理(好きすぎ)
「だってしょーくんとおそろい買えたし……春っぽくて最高な日〜っ♪」
って言ったら、しょーくんがちょっとだけ真面目な顔して、
「ののかが笑ってるの見るの、いちばん好きかも」
って。
…だめ。心臓持たない。爆発する。
そんなことさらっと言える17歳ってどんな破壊力!?
あたしまだピュアピュアJKなんですけどぉぉぉ!?!?
カフェを出て、駅に向かう帰り道。
風がちょっとだけ強くて、ののかのスカートのすそがふわっと揺れたとき、
しょーくんがそっと手を差し出してくれて、なにも言わずに繋いでくれたの。
「ねぇ、ののか。これからもいろんな“おそろい”増やしていこうね」
うん、うん、うん、うん。
うんしか言えないけど、わたし今日という日を一生忘れない、、、!
― end ―